【読書】「群れのルール」

集合知関連の本です。
「みんなの意見は案外正しい」が途中で止まってしまっているのに対して、なんとか一気に読み終われました!
面白かったです!

人間が集合知を応用して、様々な問題に対応した実例の話のあと、集団の、群れで行動している鳥や虫や魚などの行動に対する実験などを踏まえて、実際に人間の「群れ」ではどのような問題が起こってしまったかという話が書かれてしました。
 人間とその他の生き物の集団がそれぞれ持ちうる、「群衆の叡智」がどのようにに発揮され、集団のいい点や悪い点などが挙げられており、考えさせられる部分も有りました。
 今までは、集合知というと、大きな集団から、最終的に抽出される知恵的なものを考えてしまっていたのですが、この本を読むと、考え方が間違っているように感じました。
 この本の前半部分で書かれている、集団から得られる、個からは得られないような知識を出現させるためには、幾つかの条件が揃っている必要がありました。それは、ある一定のばらつきがある集団であるという前提や、他人に流されないというということです。また、集団で出た意見が、個を常に上回っているということもありませんでした。確かに集団の方が良いものが生まれるが、そうとも限らないということも起こりえました。
 人間以外の動物は、個の1つ1つの動きが、一見混乱しているようでも、集団で見たときに、1つの素晴らしい動きが生まれていました。しかし、それは、個が単純なルールにしたがって動いているからこそ生まれるものでも有ります。一方、人間は社会的な部分を考えたりしてしまうことによって、個が潰されてしまうことが多々起こります。加えて、どんな生き物にも、「模倣」があります。それによって集団が動きますが、個があり、意見を活発に出して、多数決のような事が行われたりすることでこそ、良い知識が出現します。しかし、人間は模倣することによって個が消えてしまうような事になってしまいます。
 一言で集合知といっても、人間とそれ以外の生物では大きく性質が異なっているように感じました。また、人間のような、社会的な考えが大きく支配されている生き物にとって、個の集団が良い知恵を出すような条件を整える方が難しいのではないかと思いました。

なかなか集合知と言っても、色々考えるべき点、そもそもの定義などまだまだ勉強すべきところはありそうです。

群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法

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